夢は小説家だった私が今は電子書籍の漫画を書いている
大学時代、暇で暇でしょうがなかった私は、ある日ふと思い立って小説を書いてみることにしました。本当に理由なんてなく、ただなんとなく、「そうだ、小説書こう」そんな風に思ったのです。そして、実際に自分の考えていることを少しずつ形にしていくと、次から次に書きたいことが浮かんでくる。
そうしてしばらくしたときにまたふと思いました。「そうだ、賞に出してみよう」せっかく書いた小説ですが、このままではタンスの肥やしならぬパソコンの肥やしになってしまいます。それはなんだかもったいない、ということでこれまた適当に選んだミステリーの小説賞に出すことに。
がんばってがんばってがんばり抜いて書き上げた小説をやっと送ったときは、なんとなく達成感に満ちているような、不安なような、そんな感じの気持ちでした。そして数か月後の一次選考発表の日。私はその瞬間を今か今かと待ちわび、そしてとうとう発表が!
私の名前はありませんでした。
自信あったんだけどなあ。やっぱりそんなにうまくいかないか。そんな風にしょげて、もう書くのはやめようか、そんな風に思っていた一週間後、私のメールアドレスにあるメールが届いたのです。
「作品、素晴らしかったです。惜しくも選考落ちとはなりましたが是非電子書籍として弊社で……」
なんとその賞の審査員の方からでした。後から分かったのですが、その小説賞は一次選考のあとは即最終選考という少し変わった形を取っていたので、一次落ちとは言っても実質最終候補の一つくらいには上がっていたのだそうです。
そして、出版社にお呼ばれした私はそこで色々な話をして。今はその縁もあり、漫画家の方とコンビを組んで、電子書籍版の男性向けの漫画などのシナリオを書いたり、在宅ワークで文章を書く仕事をさせていただいています。どの漫画を担当したかまでは秘密にさせて頂きますが、例えば 漫画ダウンロード のレビューサイトなどにも掲載されています。
あの頃、一念発起してがんばらなかったら、きっと今の私はなかったことでしょう。
チャンスというのはどこにでも転がっていて、それを拾いに行くか行かないか。きっとただそれだけの違いです。
皆さんも何かやりたいことがあるときは、とりあえず挑戦してみてはいかがでしょうか。