お仕事の口コミ体験談。働く人たちの様々な業種のお話

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パワハラを受けて仕事を辞めた友人と呑みに行った話

先日、私は地元の最寄駅で偶々友人と再会しました。地方に行き印刷関係の仕事に就いていたと聞いていた私は久しぶりの再会に嬉しくなり、久しぶりと声をかけました。しかし、友人は頬がこけていて猫背で自分と学生生活を共に過ごし青春を過ごし輝いていた姿は見る影もありませんでした。詳しい話が聞きたいのと心配だったのもあり近くの居酒屋に行きお互いの近況を話すことにしました。

私が単刀直入に、なにかあったのかと尋ねると友人は「いや、そのさ」と口を開くのも躊躇っているような苦しみが伝わってきました。その様に、相当しんどいことがあったんだと察しました。私はどうにかならないものかとお酒の力を借り自分の仕事での失敗や馬鹿話などしながら友人の口が開く機会を伺い続けました。


少し時間も経ち、お酒もお互いに入ったころ友人の口から息が漏れるように「仕事やめてさ・・・」とか細い声が聞こえました。私はそうだったのか、そうだよなと思いながらうんうんと相槌を打ちます。

仕事場での上司からのパワハラ、モラハラが原因で誰も味方をしてくれる人間がいず我慢しながら仕事をこなしてきて、そして限界が来て辞表を提出し、逃げ出す思いで地元に帰ってきたそうです。


今までの思いが堰を切るように飛び出し涙ながらに話す友人に自分は辛かったなとしか言えませんでした。それからいたたまれない雰囲気の中、もう出ようかと会計に向かいました。

折角の再会がこんな形に終わるなんて、何もためになる言葉の一つもかけられない自分に嫌気がさしていた時、居酒屋のテレビからリオ五輪体操日本代表の内村航平選手のインタビューが映し出されていました。何故か友人と二人内村選手の一言一句を聞き逃すまいという雰囲気でテレビに見入っていました。

「凄いよなぁ」そう友人が言いました。そうだな、あんなに自信に満ちていて輝いているって凄いことだよと私が続けると、ふと友人が私を見て「俺仕事決まるまで暇だからさ一緒に五輪を見ないか?」と誘ってきました。

二人でインタビューに見入った時間は5分もなかったと思います。しかし、私を誘ってきた友人の表情は何か前向きな力強さを感じたのです。

これから開催されるリオ五輪。選手達は血の滲むような訓練を重ね日本代表の誇りを背負いながら戦います。それはとても尊い事であると同時に見ている人たちに感動や勇気を与えてくれます。それと視聴者である私達は勇敢に戦う選手に自分を重ねて自身の何かと戦っているのかもしれません。

友人と観るリオ五輪は掛け替えのないものになると思います。そして私や友人をいい方向に導いてくれるようにと、そう願っています。